利根川の眞菰で筵を編み稲株も飾った

当主は、8月になると早々、利根川流水地の、自分の田んぼの近くの真菰(まこも)を取って来て乾燥させてから筵を編み盆棚に敷いた。干草のいい匂いがする。

迎え盆の13日の朝、今度は稲の一株を抜いてきた。梅雨が長かったためか、成長が多少遅れている。昨年の干からびたものと比較すると、生育の遅れが納得できる。

青々とした稲は右側にぶらさげた。左右に渡した真菰縄にはホウヅキなどがさされ、先祖の新旧の位牌も飾られた。中央には、平成3、4、5年で結願したという西国88ヶ所の結願軸が掛けられている。左には十三仏の掛け軸。

まっとうな盆棚で、真菰を編み、稲株を飾るという当主の心意気が感じられて、懐かしい感じである。

写真=当主は、平成16年に藍綬褒章を授与されている。「多年防犯実践活動の推進に寄与」されたという。その賞状と勲章が額に入って盆棚を見下ろしている。迎えられた先祖の仏様も鼻が高かろう。

逆井に隣接した分譲地の住民である。戦前にディック・ミネのうたった ♪故郷をすてた かいがない、というのがあるが、捨てたわけではない。その故郷の擬似的な体験をさせてもらった。

14日には暗いうちに墓地に行き、野菜を刻み米を入れたものを置いてくる。留守番の仏様のためだという。迎えた仏様の中には盆棚の下に隠れる仏もいる。そこにもご馳走が出される。

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