杉の若木に吊るした灯篭

杉の若木に吊るした灯篭に精霊はお出でになる

この春亡くなった日暮富雄さんとは長い付き合いだった。御殿のような新居が建てられる前から、旧居で逆井の昔話を聞いた。

お盆のときだった。新盆の家では大きい白提灯を軒下に吊るす。行ってみたらどうかと言われ、教えられた家に出かけたことがあった。でも、写真を撮るのは遠慮した。白提灯を見て、これが逆井の新盆だということを実感した。

そのうち新居が出来、そこで耳の悪くなった二人の、大声での逆井談義が続いた。

その富雄さんの新盆である。ご子息の肇さんが昔からの「高灯籠」(たかどうろう)を立てられた。平成3年発行の『柏の民俗・考察編』(柏市民俗文化財調査会編)で、高灯籠の解説はあっても写真の紹介はない。すでに名前だけの昔話になっていたのである。

裏山から杉の若木を切り出し、梢の先の葉を少し残し、竹を縦横2本通す。観音開きになっている木造の灯籠が吊るされる。

  
ここからマコモを逆縒りして作った縄が、杉のテッペンを通って家に入り、盆棚に通じる。仏さまになった富雄さんの精霊(しょうりょう)がお出でになる。

伝統の、逆井の新盆「原風景」である。

下の写真は細く切り十字にした真竹にマコモを編みこんだ「ガラガラ」。戸口や墓所に置き、食べものを供える。

ガラガラ

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